「決算書に信ぴょう性が無く、融資を断られた事例」

本日は、決算書の信ぴょう性に疑義があることを理由に、銀行から融資を受けられなかった事例をご紹介します。
 
建設業を営むM社様より、資金繰りが厳しいため融資を受けたいとの相談がありました。
 
■M社の概要
年商:約45百万円
利益:トントン
借入:3百万円(日本政策金融公庫)
 
社長様にお話をお聞きすると、常に資金繰りが厳しい状況ではあるが、借入が嫌いなので出来るだけ自己資金で対応をしてきたとのこと。借入も3年前に日本政策金融公庫から折り返しの融資を受けたのが最後で、それ以降は借入をしていないとのことでした。
 
大幅な赤字もなく借入も少ないので、一見するとそれほど資金調達が難しいようには見えません。しかしながら、良く見てみると不自然な点がいくつか浮かびあがってきました。
 
・過去3期ともに利益の額が計ったように数万円の黒字か赤字。
・過去の粗利率の推移を見てみると、35%の年もあれば65%の年もあり、変動幅が大きい。
 
結果である利益が、毎期売上高の0.5%内に収まるというのはあまり考えられない偶然です。また、同じ事業を継続している中で、特段の理由もなく粗利率が30%も変動することは一般的に考えられません。銀行の担当者も「(粉飾をしているかどうか)真相は分かりませんが、不自然な点が多すぎるので取扱は難しいですね…」と
言って検討すらしてもらえませんでした。
 
社長様に率直に質問をぶつけてみたところ、「税金を払いたくなかった」という回答が返ってきました。厳密に言うと、税金を払いたい気持ちはもちろんあるが、資金繰りが厳しくてどうしても払えない。だからやむを得ず売上を操作したとのことです。
 
M社の社長様は、法令違反を犯していることはもちろん、経営上も大きな間違いを犯しています。過去の利益の実態を見ると、しっかりと利益が出ていた年もあります。正しく決算書を作成していれば、容易に資金調達が
出来たはずです。資金調達の可能性を自ら閉ざし、経営の幅を狭くしています。資金調達を行ってでも納める
べき税金をしっかりと納めていた方が、その後の経営の幅が拡がります。
 
社長様は、「そうした方が良いと分かってはいたが、銀行に頭を下げたり、資料を提出したりするのが苦手で、ついつい…」とおっしゃっていました。
 
確かに銀行対応が苦手で資金調達が後手に回っている経営者様も少なくないように感じます。M社様についても、1年前にお会いできていれば何とかできたと思います。深刻な事態に陥る前にご相談ください。
 
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